📘 この企画について
「毎日読書、人生に効く書籍紹介」は、ストイックに毎日一冊、本気で選んだ“人生に効く本”を紹介する連載企画です。
仕事・習慣・副業・自己成長に効く一冊を、実践的な視点で深掘りしています。

こんにちは!

どうも、マイケルです!

この書籍はこんな人におすすめ!
  1. 老後資金や将来に対して、漠然とした強い不安を抱えている人
    「いくら貯めれば安心か」という数字の迷路から抜け出すヒントが得られます。
  2. 投資や資産形成に励んでいるが、数字を追うことに疲れてしまった人
    投資の本来の意味が「奪い合い」から「社会を育むこと」へ変わり、心が軽くなります。
  3. 新NISAなどを始めたばかりで、暴落やインフレのニュースに一喜一憂してしまう人
    お金の価値が変わっても揺るがない「真のセーフティネット」の正体がわかります。
  4. 「お金さえあれば幸せになれる」という考えに、どこか違和感を感じている人
    経済の本質が「労働の交換」であることを知ることで、人間関係や仕事への向き合い方が変わります。
  5. 今の日本社会に対して「どうせ良くならない」と諦めを感じている人
    私たちが「共通の財布(社会)」をどう育てるべきか、希望ある未来への視点が開けます。

どれか1つでも当てはまるなら、

この本の中に、あなたの悩みを軽くするヒントがきっとあります。

第32回に紹介する書籍はこちら。

お金の不安という幻想 一生働く時代で希望をつかむ8つの視点 [ 田内学 ]

価格:1650円
(2026/2/15 18:31時点)

僕たちは「数字」ではなく「社会」に生かされている

  • 老後資金が足りない
  • 円安で資産が目減りする
  • もっと稼がなければ生き残れない

現代社会を生きる僕たちの脳内は、常にお金への不安で占拠されています。

新NISAの追い風もあり、空前の投資ブームが訪れていますが、皮肉なことに、口座の数字が増えれば増えるほど、僕たちの心はより一層「お金」という実体のない影に怯えるようになっている気がしてなりません。

元ゴールドマン・サックスの金利トレーダーという、いわば「お金の迷宮」の最深部を見てきた田内学氏は、本書『お金の不安という幻想』において、僕たちが抱く不安の正体を鮮やかに暴き出します。

本書が提示するのは、「お金を増やす技術」ではなく、「お金の呪縛から解き放たれるための思考法」です。

この本質を徹底的に深掘りしていきます。

第1章|伝説のトレーダーが気づいた「数字の虚無」

まず注目すべきは、著者・田内学さんの経歴です。

彼はかつて、1日に数千億円ものお金を動かすプロ中のプロでした。
アルゴリズムを駆使し、0.01%の金利差を奪い合う世界。

そこでは数字が全てであり、勝つか負けるかが唯一の指標でした。

しかし、ある日彼は気づきます。

自分は画面上の数字を増やしているが、この瞬間、社会に何か新しい価値を生み出しただろうか?

僕たちが普段追い求めている「年利〇%」や「資産〇千万円」という数字は、あくまで社会における「交換のチケット」をどれだけ持っているかという記録に過ぎません。

チケットそのものはパンを焼きもしなければ、病気を治しもしない。

本書の出発点は、このお金=価値そのもの」という強烈な思い込み(幻想)を破壊することにあります。

第2章|“無人島” の思考実験が教える経済の本質

田内さんは、経済を理解するために非常にシンプルな思考実験を提示します。

10人の人間が暮らす無人島を想像してください。
全員が「将来の不安」に備えて、島で使える「通貨」を必死に貯め込み、一切使わなくなったらどうなるでしょうか?

結果は明白です。誰もお金を使わないので、島ではパンを焼く人も、家を直す人もいなくなります。数十年後、10人が老人になったとき、全員のポケットには大量の紙幣が入っているかもしれません。しかし、島には食べるものも住む場所もありません。

「お金を持っていても、それを価値に変えてくれる『誰かの労働』がなければ、お金はただのゴミになる」

これが、本書が突きつける最も残酷で、かつ最も本質的な真実です。

僕たちが老後に必要としているのは「2,000万円という数字」ではなく、その時に「パンを焼き、介護をし、電気を守ってくれる誰かの存在」なのです。

経済とは、本来「誰かが誰かのために働く」という相互扶助のネットワークそのものを指す言葉なのです。

第3章|“財布の外側” にある3つの制約

多くのマネー本は「自分の財布(預金残高)」をいかに増やすかしか語りません。

しかし、本書は「社会という大きな財布」の制約に目を向けさせます。

田内さんは、経済を動かすリソースには以下の3つの限界があると説きます。

  1. 労働力の制約
    誰がそれを作るのか?
  2. 資源・エネルギーの制約
    何を使って作るのか?
  3. 環境の制約
    どれだけ負荷をかけていいのか?

例えば、日本政府が100兆円を刷って国民に配ったとしても、それだけで社会が豊かになるわけではありません。

なぜなら、その100兆円を使って「働く人」が増えるわけではないからです。
むしろ、限られた労働力を奪い合い、物価が上がるだけでしょう。

僕たちは「お金があれば解決できる」と考えがちですが、実際には「人・モノ・環境」という物理的な制約こそが、僕たちの生活の質を決定づけています。

この視点を持つと、昨今のインフレや人手不足が、単なる金融現象ではなく「社会の維持能力の低下」であるという危機感が見えてきます。

第4章| “合成の誤謬” – 良かれと思った貯蓄が未来を壊す

本書の白眉は、「個人の正解が、社会の不正解になる」という「合成の誤謬(ごびゅう)」の指摘です。

現代の日本人は、将来が不安だからこそ消費を切り詰め、投資や貯蓄に励みます。

個人としては極めて合理的な行動です。
しかし、社会全体がこれを一斉に行うとどうなるか。

  • 消費が減り、企業の売上が落ちる。
  • 企業の売上が落ちれば、現役世代の給料が下がる。
  • 生活が苦しくなり、結婚や出産を諦める人が増える(少子化の加速)。
  • 将来、自分たちを支えてくれる「労働者」がいなくなる。

つまり、私たちがの安心のために「お金」を貯めれば貯めるほど、皮肉にも「将来の安心を提供してくれるはずの社会」が壊れていくというパラドックスです。

田内さんは、年金問題についても一刀両断します。

年金とは「過去に積み立てたお金を配るシステム」ではなく、本質的には「その時の現役世代が生み出した価値を、高齢者に分配するシステム」です。

したがって、僕たちが本当に投資すべきは、金融商品だけでなく 「次世代の子供たちが健やかに育ち、高い生産性を持って働ける環境」 なのです。

第5章|投資の再定義:奪い合いから「育み合い」へ

投資家を自称する人々にとって、本書は耳の痛い、しかし極めて重要な視点を与えてくれます。

多くの人が行っているのは、単なる「安く買って高く売る」というゼロサムゲームに近い「投機」ではないでしょうか。

田内さんが考える本来の投資とは、誰かの挑戦を助け、社会の生産性を高めるために自分のお金(リソース)を託すことです。

投資とは、お金というチケットを社会に投げ入れ
それを使って誰かが価値を生み出すプロセスを応援することである

例えば、ただ株価の変動だけを見て一喜一憂するのではなく、

  • この企業が成長することで、社会にどんな便利なサービスが生まれるか?
  • その結果、未来の自分たちの生活はどう豊かになるか?

このような視点を持つこと。

もし、すべての投資家が「自分の利益」だけを追求し、企業から過剰な配当やリストラを求め続ければ、社会は短期的には潤っても長期的には疲弊します。

僕たちは「どんな社会に住みたいか」という一票を、投資という形で行使しているのです。

第6章|お金の不安を解消する「3つの処方箋」

では、僕たちは具体的にどう生きれば、この「幻想の不安」から抜け出せるのでしょうか。

本書から読み取れる指針は以下の3点に集約されます。

① “お金の向こう側” にいる人を想像する

スーパーで100円の野菜を買うとき、その100円が農家、運送業者、レジ打ちの人へと分配される様子を想像してください。

お金を払うことは、誰かの労働を受け取ること。

この感覚を取り戻すだけで、お金に対する「独占欲」が「感謝の循環」へと変わります。

② 自分の「稼ぐ力」を社会との接点にする

預金通帳を眺めるよりも、自分を磨くことに投資しましょう。

社会がどう変化しても、「あなたに頼みたい」と言われるスキルや信頼を持っていれば、それはどんな暴落にも耐えうる最強の資産になります。

お金は奪われることがあっても、あなたの能力と信頼は誰にも奪えません。

③ “共通の財布” を敵視しない

税金や社会保険料を「取られるもの」と考えるのは、自分が社会から切り離されているという感覚の表れです。

これらは、僕たちが共同で維持している「社会というセーフティネット」への出資です。

ここを正しく機能させることこそが、個々人が過剰な貯蓄に走らなくて済む唯一の道です。

第7章|“お金教” からの脱却と、人間性の回復

本書を読み進めるうちに気づかされるのは、僕たちがいつの間にか「お金」という神様を信仰する「お金教」の信者になっていたということです。

「お金がないと死ぬ」
「お金さえあれば何でもできる」

こうした極端な思考は、人間を「数字を管理するマシーン」に変えてしまいます。しかし、田内氏が元トレーダーとして最後に辿り着いた結論は、驚くほど人間味に溢れたものでした。

経済とは「経世済民(世を収め、民を救う)」の略語です。

僕たちは、自分一人で生き残るために数字を集めるのではなく、お互いの労働を交換し合い、共に豊かになるために「お金」という便利な道具を発明したはずです。

道具に使われるのではなく、道具を使いこなす

そのためには、まず「お金の不安」という色眼鏡を外し、目の前にいる「働く人々」の顔をしっかりと見ることが必要なのです。

まとめ|あなたの「投資」は何を変えるか

『お金の不安という幻想』は、単なる経済学の啓蒙書ではありません。

それは、現代人が失いつつある「他者への信頼」を取り戻すための哲学書でもあります。

もし、あなたが明日、全財産を失ったとしても、あなたの周りに「あなたを助けたい」と思う人がいれば、あなたは生きていけます。

逆に、100億円持っていても、周りに誰もいなければ、その1億円は冬の焚き火の燃料にすらなりません。

本当の安心とは、通帳の桁数にあるのではなく、「自分は社会の役に立っており、社会もまた自分を守ってくれる」という確信にあるのです。

本ブログ「MICHAEL VLOGの投資日記」を通じて、著者のこの深いメッセージが一人でも多くの読者に届くことを願っています。

数字を追うことに疲れたとき、ふと立ち止まって自分の投げたお金が、どこで誰を笑顔にしているかを考えてみてください。

その瞬間、あなたの心から「お金の不安という幻想」が消え去っていることに気づくはずです。

お金の不安という幻想 一生働く時代で希望をつかむ8つの視点 [ 田内学 ]

価格:1650円
(2026/2/15 18:31時点)

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