
📘投資初心者のための講義シリーズ
このシリーズでは、投資をゼロから学びたい方に向けて「かんたん・やさしく・本質的」にお届けしています。
~未来を変える一歩を、今日から一緒に踏み出しましょう~
目次
安く買って堅く勝つ ~バリューETFの王道~
こんにちは!
どうも、マイケルです!
「成長を買うグロース株」か、それとも「割安さに賭けるバリュー株」か。
投資の世界では昔から繰り返される大きなテーマです。
前回は「グロース株ETF」について学びました。
将来の成長を先取りして買うため、株価が大きく上がる可能性もある一方、割高であるがゆえに暴落局面で下落幅が大きくなるというリスクもありました。
そこで今回は、対になる存在である「バリュー株ETF」。
割安な株に投資する王道の戦略について解説していきます。
- 「高値掴みが怖い」
- 「もっと堅実に投資したい」
という方にとって、バリュー株ETFは強力な武器となります。
バリュー株投資とは?
バリュー株とは「企業価値に対して株価が割安に放置されている株」を指します。
- 指標で判断
PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が市場平均より低い銘柄 - 投資の前提
一時的に評価が低くても、本来の価値に戻ると株価が上昇する可能性がある - 投資家心理
「安いものを買う」という直感的で理解しやすいアプローチ
例えるなら、ブランド品をバーゲンで買うようなものです。
性能は変わらないのに価格だけが低いなら、それはチャンスになります。
バリュー株ETFの魅力
バリュー株ETFの魅力についてはさまざまなエッセンスがあります。
- 下値の堅さ
割安水準で買えるため、暴落時でも株価が下がりにくい傾向があります。 - 高配当との相性
バリュー株は成熟企業が多く、利益を配当で還元するケースが多い。そのため配当利回りが高めになることも魅力。 - 景気循環とのバランス
景気後退時にはバリュー株がグロース株より強い局面がある。グロース一辺倒よりリスク分散が効く。 - 心理的安心感
「安く買っている」という安心感は、投資を継続する上で大きな心の支えになります。
代表的なバリュー株ETF
バリュー株ETFはいくつも存在しますが、特に有名なものを整理します。
- VTV(Vanguard Value ETF)
- バンガード社が提供
- 大型株の中から割安株を抽出
- 銀行・エネルギー・ヘルスケアなどが多め
- IVE(iShares S&P500 Value ETF)
- S&P500をベースに「バリュー株」の部分だけを切り取ったETF
- グロースETF(IVW)と対になる存在
- IWD(iShares Russell 1000 Value ETF)
- 大型〜中型株まで広くカバー
- より分散度が高いバリューETF
ETFの違いは「対象指数」と「組み入れ比率」。
どれも「割安株」という軸は同じですが、セクターの偏りや投資対象が微妙に違うので、自分の投資目的に合わせて選ぶことが重要です。
実践アドバイス
バリュー株ETFを取り入れるときのポイントは「グロースとの組み合わせ」です。
- 相場の循環を意識する
- 景気拡大期はグロースが優位
- 景気後退期はバリューが強い
- 時期によってパフォーマンスが入れ替わるため、両方を持つとリスク分散になる
- 初心者におすすめの配分
- 核心は「S&P500 ETF」や「全世界株ETF」でベースを固める
- その上で資産の10〜20%程度をグロースとバリューに分散する
- 「攻め」と「守り」の両方を持つことで、心理的にも落ち着いて投資を続けられる
- NISAの活用法
- 新NISAの成長投資枠でバリューETFに投資可能
- 長期的に積み立てるなら、「グロース vs バリュー」どちらに偏るかを考えるより、両方を少しずつ取り入れるのが現実的
まとめ
バリュー株ETFは、投資の王道ともいえる「割安株投資」を手軽に実践できる手段です。
- 割安株は「本来の企業価値に比べて安く買える」ことが前提であり、長期的にそのギャップが埋まると利益に変わります。
- 成熟企業が多く、安定的に利益を生み、配当を出す傾向が強いため、グロース株に比べて守備力が高い。
- 特に景気後退局面や金利上昇局面では、グロース株よりもバリュー株が優位に働きやすく、分散投資の柱になり得ます。
- 「グロースだけ」「バリューだけ」と偏るのではなく、両方を理解してポートフォリオに組み入れることで、リスクを抑えつつ安定したリターンを目指せます。
投資の本質は「勝ち続ける」ことではなく「負けない仕組みを作る」ことです。
バリュー株ETFはその“負けにくさ”を補うための有効なツールとなります。
これまでの学びを整理すると、、、
- グロース株ETF
「未来の成長に賭ける攻めの投資」 - バリュー株ETF
「割安さと安定感を軸にした守りの投資」
つまり投資家に必要なのは「攻めと守りの両輪」を意識すること。
これを理解するだけで、長期投資の安心感と継続力が大きく高まるのです。
次回予告
『クオリティ株ETF入門|財務が強い“優良企業”に投資する戦略』
次回の投資講義は
『クオリティ株ETF入門|財務が強い“優良企業”に投資する戦略』
クオリティ株ETFとは、「割安かどうか」「成長性があるかどうか」ではなく、企業そのものの“質の高さ”に注目した投資戦略です。
- 財務が健全
借金が少なく、自己資本比率が高い - 収益性が高い
利益率が安定し、長期的にキャッシュを生み出せる - 経営の効率性
経営陣の資本配分がうまく、株主に還元する姿勢がある
こうした“質の高い企業”を集めたETFは、安定成長を長く続けられる点が大きな魅力です。
ここまで「成長」と「割安」の両極を学んできたことで、投資家としての視点が2Dから3Dに広がりつつあります。
次回の「クオリティ株ETF」を学ぶことで、その視点にさらに奥行きを加え、投資判断の軸がいっそう強固になるはずです。
投資初心者にとって、これは「攻め」「守り」に続く第三の軸=“質の投資”。
次回の投資講義を読むことで、皆さんの投資スタイルに新しい視野が加わるでしょう。
📚 投資初心者のための講義シリーズ
初心者でも一から学べる「投資講義」シリーズを順番に読みたい方はこちらからどうぞ👇
- 【第1回】NISAってなに?
- 【第2回】投資信託ってなに?
- 【第3回】インデックス投資ってなに?
- 【第4回】S&P500と全世界株式の違い
- 【第5回】ドルコスト平均法とは?
- 【第6回】NISAはいくら投資すべきか?
- 【第7回】銘柄選びの考え方
- 【第8回】個別株・ETF・投資信託の違いとは?
- 【第9回】インデックス型 vs アクティブ型
- 【第10回】分散投資ってなに?
- 【第11回】リスクとリターンの関係
- 【第12回】長期投資はなぜ最強か?
- 【第13回】習慣としての投資
- 【第14回】積立額の正解とは?
- 【第15回】出口戦略の基本
- 【第16回】資産の取り崩し戦略
- 【第17回】『ライフ資産』の築き方
- 【第18回】投資の『ゴール設定』
- 【第19回】年齢別の投資戦略
- 【第20回】リスク許容度の見極め方
- 【第21回】下落相場で買える人のメンタル設計
- 【第22回】株価は見るべきか?
- 【第23回】ニュースに惑わされない
- 【第24回】相場に振り回されない『継続力』
- 【第25回】やめたくなる日の処方箋
- 【第26回】感情に強くなる投資マインド
- 【第27回】暴落相場での冷静力
- 【第28回】回復相場での立ち回り方
- 【第29回】天井圏の見極め方
- 【第30回】下げ相場の入り口を見極める方法
- 【第31回】リバウンド相場の見極め方
- 【第32回】買い場を見極めるための思考法
- 【第33回】底値戦略の活かし方
- 【第34回】キャッシュポジションの極意
- 【第35回】資産配分の黄金比率
- 【第36回】リバランスの極意
- 【第37回】利益を伸ばすリバランス戦略
- 【第38回】成長投資枠でのリバランス活用法
- 【第39回】リバランスを自動化する方法
- 【第40回】複利の正体とは?
- 【第41回】長期投資と複利の関係
- 【第42回】長期投資を続けるための実践法
- 【第43回】心を整えて継続する力
- 【第44回】恐怖をチャンスに変える逆転思考
- 【第45回】投資を“生活習慣”にする方法
- 【第46回】不安と欲望に揺れない思考法
- 【第47回】情報断食のすすめ
- 【第48回】感情に振り回されない投資ノート
- 【第49回】数字に惑わされない視点
- 【第50回】投資が人生にもたらす副産物とは?
- 【第51回】投資が人生哲学に変わるとき
- 【第52回】人生設計と投資戦略
- 【第53回】支出管理と投資力
- 【第54回】生活防衛資金の考え方
- 【第55回】収入の柱を増やす考え方
- 【第56回】お金より大切な資産とは?
- 【第57回】投資を自動化する仕組み作り
- 【第58回】投資家の心を守る習慣
- 【第59回】投資における孤独との向き合い方
- 【第60回】情報の波に溺れない技術
- 【第61回】投資家の時間軸を広げる思考法
- 【第62回】ライフプランと投資戦略
- 【第63回】リスクに強い投資戦略
- 【第64回】資産配分を決める極意
- 【第65回】米国主要指数の違いを理解する
- 【第66回】米国株を始める第一歩
- 【第67回】NASDAQ100に投資する方法
- 【第68回】ダウ平均株価に投資する方法
- 【第69回】米国主要3指数の使い分け戦略
- 【第70回】セクターETF入門
- 【第71回】高配当ETF入門
- 【第72回】グロース株ETF入門
- 【第73回】バリュー株ETF入門 ← 今回の記事
- 【第74回】クオリティ株ETF入門【次回予告】
📌 各回、約2,000字でじっくり学べる内容になっています。
ブックマークして繰り返し読むのがおすすめです!