
📘投資初心者のための講義シリーズ
このシリーズでは、投資をゼロから学びたい方に向けて「かんたん・やさしく・本質的」にお届けしています。
~未来を変える一歩を、今日から一緒に踏み出しましょう~
目次
S&P500の次に知るべき成長株指数
こんにちは!
どうも、マイケルです!
前回の記事では「米国株の王道」といえるS&P500を紹介しました。
米国経済全体の成長を反映する指数であり、世界中の投資家が最初の一歩として選ぶ理由がよく分かったと思います。
ただ、こうした声もよく耳にします。
- 「もっと成長性の高い投資先はないの?」
- 「アップルやエヌビディアに投資したいけど、個別株はリスクが大きそう」
そんなニーズに応えるのが『NASDAQ100』。
アメリカを代表するテクノロジー企業を“まとめて”投資できる成長株指数です。
今回は、その特徴や投資方法、実際の商品まで深掘りしていきましょう。
NASDAQ100とは?|世界を動かすハイテクの集合体
NASDAQ100は、NASDAQ市場に上場する大型株のうち、金融を除いた約100銘柄で構成される株価指数です。
特に注目すべきは、構成銘柄の多くが『テクノロジー企業』であること。
代表的な企業を挙げると
- アップル(スマートフォン・エコシステムの王者)
- マイクロソフト(クラウドとソフトウェアで圧倒的シェア)
- アマゾン(EコマースとAWSクラウド)
- エヌビディア(AIと半導体の象徴的企業)
- メタ、アルファベット(Google)(デジタル広告・AI分野)
まさに「未来をつくる企業群」が集まった指数なのです。
成長性とリスク|S&P500との違い
成長性の高さ
過去10年でNASDAQ100は、S&P500を大きく上回るリターンを叩き出しています。
理由は明確で、AI・クラウド・スマートデバイスといった 『世界的成長テーマの中心』にいる企業が指数を押し上げているからです。
リスクの高さ
一方でNASDAQ100の値動きは大きめです。
- ハイテク株は景気敏感度が高く、金利上昇局面では売られやすい
- セクター集中度が高いので、分散効果はS&P500に劣る
- バブル崩壊時やリーマンショックの際はS&P500以上に下落した過去もある
つまり「リターンの期待値は高いが、ボラティリティも高い」という特徴を理解する必要があります。
NASDAQ100に投資するメリット・デメリット
メリット
- 世界を牽引するIT企業に分散投資できる
- 成長性が高く、長期では大きなリターンが狙える
- 個別株を選ばずとも「GAFA+AI関連株」にまとめて投資できる
デメリット
- 値動きが激しい(暴落時は大きな含み損に耐える必要あり)
- S&P500に比べるとセクター分散が弱い
- 長期的には報われやすいが、短期的には心が折れやすい
投資家にとって重要なのは、「自分のリスク許容度に合った割合で組み入れる」ことです。
投資できるETFと投資信託
ETF(上場投資信託)
- QQQ(Invesco QQQ Trust)
NASDAQ100を代表するETF。米国市場で最も有名。 - 1545 NEXT FUNDS NASDAQ100
東証に上場しているため、日本の証券口座からも買いやすい。 - レバレッジ型(TQQQ, QLDなど)
短期トレード向けで初心者には非推奨。
投資信託
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
低コストで人気が高く、NASDAQ100を手軽に積立できる代表的ファンド。 - 楽天NASDAQ100インデックス
楽天証券ユーザーに馴染みやすく、楽天ポイント投資などとも相性が良い。 - eMAXIS NASDAQ100インデックス
三菱UFJ系のeMAXISシリーズで、信頼性が高く安定した運用が期待できる。
少額から長期投資を始めたい人にはこちらが現実的かなと思います。
実践アドバイス|どうポートフォリオに組み入れるか?
NASDAQ100は魅力的ですが、「リターンが高い=誰にでも正解」というわけではありません。
特に初心者にとっては、どう活用するかを明確にしておくことが重要です。
1. メインはS&P500、サブにNASDAQ100
まず基本は「守りのS&P500」+「攻めのNASDAQ100」という考え方です。
- S&P500
米国全体に広く分散した安定的な成長 - NASDAQ100
ハイテクを中心とした高い成長力
この両者を組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを整えられます。
2. 投資比率の目安を考える
NASDAQ100は成長性が高い分、値動きも大きいので、全体の20〜30%程度に抑えるのが無難です。
- 資産全体の70〜80%をS&P500系ファンド、20〜30%をNASDAQ100に配分
- リスクをより抑えたい人は10〜15%程度から始めるのも◎
自分のリスク許容度に応じて割合を調整しましょう。
3. 投資信託から始めるのがおすすめ
初心者にとっては「ETFより投資信託」の方が積立に適しています。
- 100円から自動積立できる
- つみたてNISA枠でも利用可能
- ドルコスト平均法で値動きを気にせず続けられる
特に「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」や「楽天NASDAQ100インデックス」は人気が高く、初心者でも安心して利用できます。
4. 心理的な備えを持つ
NASDAQ100は上昇局面では大きな利益を生みますが、下落局面では一気に含み損を抱える可能性もあります。
- 「10年後に成長していればいい」と長期視点で割り切る
- 下落時に積立を止めない(むしろ安く買えるチャンスと考える)
- 全額をNASDAQ100に突っ込まないで分散する
このマインドセットがないと、途中で投資をやめてしまい、結局リターンを享受できなくなってしまいます。
5. 成長セクターの恩恵を受け続ける
AI・クラウド・EV(電気自動車)など、今後も世界経済の成長をけん引するのはテクノロジー分野です。
NASDAQ100はそうした 未来のトレンドを逃さない投資手段。
一部を組み入れることで、資産形成に「成長エンジン」を搭載できるのです。
まとめ|NASDAQ100は未来志向の投資先
今回のテーマ「NASDAQ100」は、S&P500に比べてリスクは大きいものの、世界を牽引するテクノロジー企業にまとめて投資できる魅力があります。
- 構成銘柄の中心はアップル、マイクロソフト、エヌビディアなど、世界的に成長を続けるIT企業群
- 長期的にはS&P500を上回る成績を収めてきた一方、下落局面では大きく値を崩す側面もある
- ETFや投資信託を通じて、少額から簡単に投資可能
- S&P500を「安定の土台」とするなら、NASDAQ100は「成長のエンジン」
つまり、NASDAQ100は「未来に賭ける投資」だと言えます。
自分のリスク許容度を踏まえ、全体資産の一部にバランスよく組み入れることで、より豊かなリターンを狙えるでしょう。
投資において大切なのは「やめないこと」と「続ける仕組み」。
NASDAQ100を取り入れる際も、短期の値動きに一喜一憂するのではなく、“未来の10年・20年”を見据えて淡々と積み上げていく姿勢が最も重要です。
次回予告|ダウ平均株価という「伝統」を学ぶ
『ダウ平均株価に投資する方法|ETFと投信で伝統指数に参加する』
次回の投資講義は
『ダウ平均株価に投資する方法|ETFと投信で伝統指数に参加する』
米国株三大指数の最後のひとつ 「ダウ平均株価」 をテーマに取り上げます。
- 「たった30銘柄」なのに、なぜアメリカを代表する指数として歴史に刻まれているのか?
- 1896年の誕生以来、100年以上にわたって投資家に支持され続けている理由とは?
- S&P500(王道)、NASDAQ100(成長株)と比較したときの、ダウ独自の魅力や弱点は何か?
- ダウに投資できる代表的なETFや投資信託にはどんな商品があるのか?
この3つの指数(S&P500・NASDAQ100・ダウ)を理解することは、米国株投資の基礎を完成させる学びの一歩です。
次回を読むことで、米国株投資の全体像がさらにクリアに見えてくるはずです。
📚 投資初心者のための講義シリーズ
初心者でも一から学べる「投資講義」シリーズを順番に読みたい方はこちらからどうぞ👇
- 【第1回】NISAってなに?
- 【第2回】投資信託ってなに?
- 【第3回】インデックス投資ってなに?
- 【第4回】S&P500と全世界株式の違い
- 【第5回】ドルコスト平均法とは?
- 【第6回】NISAはいくら投資すべきか?
- 【第7回】銘柄選びの考え方
- 【第8回】個別株・ETF・投資信託の違いとは?
- 【第9回】インデックス型 vs アクティブ型
- 【第10回】分散投資ってなに?
- 【第11回】リスクとリターンの関係
- 【第12回】長期投資はなぜ最強か?
- 【第13回】習慣としての投資
- 【第14回】積立額の正解とは?
- 【第15回】出口戦略の基本
- 【第16回】資産の取り崩し戦略
- 【第17回】『ライフ資産』の築き方
- 【第18回】投資の『ゴール設定』
- 【第19回】年齢別の投資戦略
- 【第20回】リスク許容度の見極め方
- 【第21回】下落相場で買える人のメンタル設計
- 【第22回】株価は見るべきか?
- 【第23回】ニュースに惑わされない
- 【第24回】相場に振り回されない『継続力』
- 【第25回】やめたくなる日の処方箋
- 【第26回】感情に強くなる投資マインド
- 【第27回】暴落相場での冷静力
- 【第28回】回復相場での立ち回り方
- 【第29回】天井圏の見極め方
- 【第30回】下げ相場の入り口を見極める方法
- 【第31回】リバウンド相場の見極め方
- 【第32回】買い場を見極めるための思考法
- 【第33回】底値戦略の活かし方
- 【第34回】キャッシュポジションの極意
- 【第35回】資産配分の黄金比率
- 【第36回】リバランスの極意
- 【第37回】利益を伸ばすリバランス戦略
- 【第38回】成長投資枠でのリバランス活用法
- 【第39回】リバランスを自動化する方法
- 【第40回】複利の正体とは?
- 【第41回】長期投資と複利の関係
- 【第42回】長期投資を続けるための実践法
- 【第43回】心を整えて継続する力
- 【第44回】恐怖をチャンスに変える逆転思考
- 【第45回】投資を“生活習慣”にする方法
- 【第46回】不安と欲望に揺れない思考法
- 【第47回】情報断食のすすめ
- 【第48回】感情に振り回されない投資ノート
- 【第49回】数字に惑わされない視点
- 【第50回】投資が人生にもたらす副産物とは?
- 【第51回】投資が人生哲学に変わるとき
- 【第52回】人生設計と投資戦略
- 【第53回】支出管理と投資力
- 【第54回】生活防衛資金の考え方
- 【第55回】収入の柱を増やす考え方
- 【第56回】お金より大切な資産とは?
- 【第57回】投資を自動化する仕組み作り
- 【第58回】投資家の心を守る習慣
- 【第59回】投資における孤独との向き合い方
- 【第60回】情報の波に溺れない技術
- 【第61回】投資家の時間軸を広げる思考法
- 【第62回】ライフプランと投資戦略
- 【第63回】リスクに強い投資戦略
- 【第64回】資産配分を決める極意
- 【第65回】米国主要指数の違いを理解する
- 【第66回】米国株を始める第一歩
- 【第67回】NASDAQ100に投資する方法 ← 今回の記事
- 【第68回】ダウ平均株価に投資する方法【次回予告】
📌 各回、約2,000字でじっくり学べる内容になっています。
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