
📘投資初心者のための講義シリーズ
このシリーズでは、投資をゼロから学びたい方に向けて「かんたん・やさしく・本質的」にお届けしています。
~未来を変える一歩を、今日から一緒に踏み出しましょう~
目次
リスクとどう向き合うか?
こんにちは!
どうも、マイケルです!
前回は「ライフプランと投資戦略」というテーマで、人生設計に資産形成をどう組み込むかを考えました。
夢や目標を描いた上で、それを実現するために投資を“手段”として活用する。
その重要性をお伝えしました。
しかしプラン通りに進まないのが人生、そして投資です。
- 「せっかく積み立ててきた資産が20%下がったらどうする?」
- 「含み損が1年続いたら耐えられる?」
こうした“揺れ”を避けることはできません。
今回のテーマは「リスクに強い投資戦略」。
つまり「あなた自身がどこまで資産の変動に耐えられるか」を見極め、その上で崩れない戦略を作る方法です。
リスクとは何か?
まずは「リスク」という言葉を整理しましょう。
投資におけるリスクとは「損をする危険」ではなく「値動きの幅(ボラティリティ)」のことを指します。
- 株式:リターンは大きいが短期的に上下の幅が大きい。
- 債券:リターンは控えめだが値動きは小さい。
- 現金:リスクはほぼゼロだが、インフレに負ける可能性がある。
つまりリスクは“敵”ではなく、“避けられない性質”なのです。
リスクとリターンの関係
投資の本質は「リスクを取らなければ、リターンは得られない」ということ。
銀行預金はリスクがゼロに近いですが、リターンもほぼゼロです。
株式は上下に激しく動きますが、その分長期で見れば最も高いリターンをもたらします。
重要なのは「自分が取れるリスクの大きさを見極めること」。
無理して大きなリスクを背負えば、途中で不安に耐えられず、暴落時に売却してしまう。
逆にリスクを抑えすぎれば、資産がほとんど増えずに老後資金が不足する。
リスク許容度の見極めこそ、投資戦略の土台です。
リスク許容度を決める要因
リスク許容度は人によって異なります。
要因は大きく4つ挙げれるかなと思います。
- 年齢と投資期間
若い人は時間が味方するため、リスクを取りやすい。年齢が上がると守りを重視する必要がある。 - 収入と生活基盤
安定した収入や生活防衛資金がある人はリスクを取りやすい。逆に不安定な収入ならリスクを抑えるべき。 - 家族構成やライフイベント
独身と子育て世帯では守るべき責任が違う。住宅購入や教育資金も影響する。 - 性格と心理的耐性
30%下落したときに冷静でいられるか?1年含み損を抱えても積立を続けられるか?これは人それぞれ。
自分のリスク耐性を知る方法
具体的には次のような問いを自分に投げかけてみましょう。
- 株価が半分になったらどうする?
- 投資額が100万円から70万円に下がったら夜眠れる?
- 含み損が2年間続いたら積立をやめたくなる?
この問いに「耐えられる」と思える範囲が、あなたのリスク許容度です。
ここで大切なのは「理論上の強さ」ではなく「実際に行動できるかどうか」。
リスクに強い戦略を作る3つの方法
では、リスクに強い戦略とは何でしょうか。
1. 資産分散で“揺れ”を和らげる
株式だけではなく、債券や現金も組み合わせる。
地域や通貨も分散することでリスクを軽減できる。
2. 時間分散でリスクを吸収する
一括投資よりも積立投資。
時間をかけて投資することで、価格のブレを平均化できる。
3. 自分に合った配分を探す
「株式70%・債券30%」がきついなら「株式50%・債券50%」にする。
重要なのは“続けられるかどうか”。
まとめ
投資は「リスクを取らなければリターンは得られない」
この真理を前に、私たちができることはリスクを避けることではなく、「受け入れられる形に整えること」です。
ここまでお伝えしてきたように、リスク許容度は一人ひとり異なります。
年齢、収入、家族構成、生活防衛資金、そして性格やメンタルの強さ。
これらが複合的に絡み合い、あなたの“耐えられるライン”を形づくります。
大切なのは、無理をして他人の基準に合わせないことです。
「友人は株式100%で投資しているから自分もそうする」
こうした選択は危険です。
もし暴落に耐えられずに途中で投げ出してしまえば、それまで積み上げた努力は一瞬で崩れてしまいます。
逆に、自分自身にとって安心できる配分を見つけていれば、市場が荒れたとしても動じずに続けられる。
これこそが“リスクに強い投資戦略”の本質です。
投資において成功する人は、リスクを完全に避けた人ではなく、「揺れを許容しつつ、投資をやめなかった人」です。
強さとは、揺れの中でも自分を信じて歩み続けられること。
あなた自身のリスク許容度を理解し、無理のない範囲で継続できる戦略を築いてください。
次回予告
『資産配分を決める極意|“自分に合ったバランス”をどう見つけるか?』
次回の投資講義は
『資産配分を決める極意|“自分に合ったバランス”をどう見つけるか?』
今回の記事では「リスク許容度」をテーマに、自分がどこまで資産の変動に耐えられるかを考えてきました。
しかし、リスク耐性を知っただけでは戦略は完成しません。
大切なのは、その耐性を踏まえて「実際の資産配分をどう設計するか」というステップです。
- 株式と債券をどの比率で持つのか。
- 現金をどれくらい残すのか。
- 米国株中心にするのか、全世界株に広げるのか。
これらの選択が、あなたの資産形成の未来を決定づけます。
次回は「資産配分」をテーマに、投資初心者でも実践できるシンプルで効果的な方法を、具体的な比率例も交えて解説します。
あなたに合った“黄金のバランス”を、一緒に探していきましょう。
📚 投資初心者のための講義シリーズ
初心者でも一から学べる「投資講義」シリーズを順番に読みたい方はこちらからどうぞ👇
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- 【第2回】投資信託ってなに?
- 【第3回】インデックス投資ってなに?
- 【第4回】S&P500と全世界株式の違い
- 【第5回】ドルコスト平均法とは?
- 【第6回】NISAはいくら投資すべきか?
- 【第7回】銘柄選びの考え方
- 【第8回】個別株・ETF・投資信託の違いとは?
- 【第9回】インデックス型 vs アクティブ型
- 【第10回】分散投資ってなに?
- 【第11回】リスクとリターンの関係
- 【第12回】長期投資はなぜ最強か?
- 【第13回】習慣としての投資
- 【第14回】積立額の正解とは?
- 【第15回】出口戦略の基本
- 【第16回】資産の取り崩し戦略
- 【第17回】『ライフ資産』の築き方
- 【第18回】投資の『ゴール設定』
- 【第19回】年齢別の投資戦略
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- 【第21回】下落相場で買える人のメンタル設計
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- 【第24回】相場に振り回されない『継続力』
- 【第25回】やめたくなる日の処方箋
- 【第26回】感情に強くなる投資マインド
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- 【第29回】天井圏の見極め方
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