
📘投資初心者のための講義シリーズ
このシリーズでは、投資をゼロから学びたい方に向けて「かんたん・やさしく・本質的」にお届けしています。
~未来を変える一歩を、今日から一緒に踏み出しましょう~
「暴落は試練じゃない。市場からの“買い物タイム”の合図だ。」
こんにちは!
どうも、マイケルです!
前回は「感情に強くなる投資マインド」をテーマに、ブレない自分を作る3つの習慣をお話ししました。
感情を安定させることは、長期投資を続けるための大前提になります。
ですが、投資人生の中で感情が最も揺れる瞬間
それが「暴落相場」です。
株価が数日で10%、場合によっては20%以上も下がる。
資産が溶けていく数字を前にすると、これまで築いたメンタルも簡単に揺さぶられます。
こんな時、あなたはどう対応して、行動しますか?
- あわてて売ってしまう人
- 何もせず固まってしまう人
- 冷静に買い増す人
この違いは、「知識」よりも「心の準備」によって生まれます。
今回は、暴落時にパニックに陥らず、むしろそれを“絶好の仕込み場”に変える発想法を解説します。
目次
暴落が怖い3つの理由
暴落時の恐怖は、単なる値下がり以上の心理的要因によって強化されます。
僕が思う、主な理由は3つくらい挙げられると思っています!
① 不確実性の高さ
「いつ下げ止まるのか」が誰にもわからない。
底を確認できないまま下落が続くチャートを見るのは、暗闇の中を手探りで歩くようなものです。
② 含み損の拡大
数字がマイナスに沈むたび、脳は「損失回避バイアス」に反応します。
人間は利益よりも損失を2倍強く感じる性質があり、資産の減少は想像以上のストレスを与えます。
「含み損(ふくみぞん)」とは、いま持っている投資商品の時価(現在の値段)が、買ったときの値段より下がってしまっている状態のことです。
まだ売っていないので損失は“確定”していませんが、数字としてはマイナスになっています。
例
株を 100万円 で買った
今の時価が 80万円
このときの −20万円 が「含み損」
③ 群集心理
周囲が一斉に売り始めると、「自分も逃げなきゃ」という集団行動が働きます。
SNSやニュースはその心理をさらに加速させ、冷静な判断を難しくします。
冷静力を鍛える3つのステップ
暴落で生き残るためには、事前の準備と当日の行動をセットで考える必要があります。
① 事前シナリオを持つ
暴落は予測できませんが、起こること自体は想定内です。
そのため、「どの水準でどう動くか」をあらかじめ決めておくことが大切。
例:
- 株価が20%下落したら10万円分買い増す
- 下落は3回に分けて買い、底値狙いはしない
このようなシナリオがあれば、感情ではなくルールに従って行動できるので、予め暴落した時のアクションを考えておくことが大事になってきます。
② 視点を長期に引き上げる
日足や週足の下落率だけを見れば恐ろしく感じますが、過去10〜20年のチャートを見ると暴落後に力強く回復しているのが分かります。
リーマンショックも、コロナショックも、数年後には大きく上昇しています。
- 「いま見ている下げ幅は、長期チャートで見れば一時的な揺れ」
- “数年後の視点”で今を眺める
このような認識を自分自身の中心軸に置いておくことも結構大事になってきます。
③ 行動を小さく刻む
恐怖のピークで大きく動くと後悔のリスクも大きくなります。
買い増しも売却も、必ず分割で行いましょう。
例えば、予定額30万円なら10万円ずつ3回に分けて投入。
心理的負担が軽くなり、暴落中でも行動がしやすくなります。
暴落をチャンスに変える発想法
暴落を単なる危機と捉えるか、絶好の仕入れ時と捉えるかで投資成果は大きく変わります。
歴史が証明しているように、暴落後の市場はしばしば力強い回復を見せます。
過去の事例
- リーマンショック(2008年):S&P500は約1年で50%下落 → その後10年で約4倍
- コロナショック(2020年):1か月で約30%下落 → その後2年で史上最高値更新
この事実を知っているだけでも、恐怖を冷静さに変える助けになります。
実践のコツ
暴落時の冷静力は、いきなり完璧には発揮できません。
だからこそ、小さな練習を平常時から積み重ねることが重要です。
- 平常時にルールを決めて書き出しておく(買い増し基準、資金配分)
- 小さな下落時にも試す(5%下落などで実践練習)
- 過去の暴落チャートを見て“想定の型”を作る
経験を重ねることで、「あ、これくらいの下げは想定内だな」と自然に感じられるようになるはずなので、とにかくアクションを起こすことが大事です!
まとめ
暴落は、投資家にとって最大の試練であり、同時に最大のチャンスでもあります。
恐怖は完全にはなくせませんが
- 事前のシナリオ
- 長期視点
- 小刻み行動
という3つの武器があれば、感情の嵐をくぐり抜けることができます。
次に暴落が来たとき、あなたがパニックではなく準備された投資家でいられることを願っています。
次回予告
『回復相場での立ち回り方|“欲張りすぎ”を避ける投資判断』
次回は『回復相場での立ち回り方|“欲張りすぎ”を避ける投資判断』を予定しています。
暴落を乗り越えて市場が上向き始めると、投資家の心理は一気に変わります。
恐怖から解放され、次は「もっと利益を増やしたい」という欲が強くなる。
しかし、このタイミングこそ次の失敗を招く落とし穴が潜んでいます。
- 回復局面でよくある“利確の早すぎ”と“欲張りすぎ”
- 上昇トレンドに乗りながらも守るべき資産防衛ルール
- チャンスを逃さず、かつ冷静さを保つための思考法
暴落後の立ち回りを間違えると、せっかくの回復局面を“利益の逃し場”にしてしまうことも…。
そうならないために、次回は、この回復相場をしっかり味方につけるためのポイントを解説します。
暴落は市場からのプレゼント。
ただし、それを受け取るかどうかは、君の心次第だ。
📚 投資初心者のための講義シリーズ
初心者でも一から学べる「投資講義」シリーズを順番に読みたい方はこちらからどうぞ👇
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- 【第2回】投資信託ってなに?
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- 【第4回】S&P500と全世界株式の違い
- 【第5回】ドルコスト平均法とは?
- 【第6回】NISAはいくら投資すべきか?
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- 【第8回】個別株・ETF・投資信託の違いとは?
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- 【第21回】下落相場で買える人のメンタル設計
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- 【第28回】回復相場での立ち回り方【次回予告】
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