
📘投資初心者のための講義シリーズ
このシリーズでは、投資をゼロから学びたい方に向けて「かんたん・やさしく・本質的」にお届けしています。
~未来を変える一歩を、今日から一緒に踏み出しましょう~
目次
生活防衛資金が投資の土台になる理由
資産を増やしたいのに、なぜ“使わないお金”を置いておく必要があるのか?
こんにちは!
どうも、マイケルです!
前回は「支出管理と投資力」についてお話ししました。
支出を整えることが投資余力を生み出し、その余力こそが積立の原動力になる、という内容でした。
ただ、余力が見えたからといって「そのすべてを投資に回す」のは危険です。
人生には予期せぬ出費があります。
- ケガ
- 病気
- 家電の故障
- 急な転職
想定外の出来事は必ずやってきます。
そんなとき、投資資金に手をつけてしまうと「損を確定させる」リスクや「投資をやめてしまう」不安が生まれます。
だからこそ必要なのが「生活防衛資金」。
安心のクッションを持つことで、投資を続ける土台が整うのです。
生活防衛資金とは何か?
生活防衛資金とは、「収入が途絶えても一定期間の生活を維持できるお金」を指します。
投資は「余裕資金」で行うのが大原則。
生活防衛資金を確保していない状態で投資を始めると、ちょっとした生活トラブルで資産を取り崩さざるを得なくなります。
それは「投資をやめるきっかけ」に直結します。
心理的にも大きな違いがあります。
- 防衛資金がない状態 → 毎日、値動きに不安。生活費が心配で落ち着かない
- 防衛資金がある状態 → 投資資金を“放置”できる。生活は守られているので冷静でいられる
つまり生活防衛資金は「お金の安心感」を買うものです。
投資のリターン以上に、継続するための「心の支え」になってくれます。
資金はいくら必要か?-目安の考え方-
「では、生活防衛資金はいくら用意すればいいのか?」ここが気になるポイントだと思います。
一般的な目安
- 最低:生活費の 3か月分
- 標準:生活費の 6か月分
- 安心:生活費の 1年分
ライフスタイル別の違い
- 会社員(安定収入) → 3〜6か月分で十分
- 自営業・フリーランス → 収入が不安定なので6か月〜1年分が望ましい
- 家族持ち(子どもあり) → 教育費や急な支出が多いため、最低でも6か月以上
ここで大切なのは「自分の生活費を正確に把握すること」。
ざっくりではなく、家計簿アプリや月の支出の平均を出すことで「リアルな防衛資金額」が見えてきます。
置き場所はどこがベストか?
生活防衛資金は「すぐに引き出せること」が最優先です。
おすすめの置き場所
- 普通預金口座(最もシンプルで流動性が高い)
- 定期預金(1か月〜3か月程度なら可。ただし流動性は落ちる)
避けたい置き場所
- 投資信託や株式(値動きがあるので“使いたいときに減っている”リスク)
- 外貨預金(為替リスクで元本割れする可能性)
- 仮想通貨(ボラティリティが高すぎて生活防衛には不向き)
「リターンを得よう」と考えてしまうと、それはもう生活防衛資金ではありません。
守りのお金はシンプルに「現金」で持つのが鉄則です。
防衛資金と投資資金の線引き
ここで重要なのは「線引き」です。
よくある失敗
- 生活防衛資金も含めてNISAに突っ込む
- 暴落時に「生活費が足りない」から投資資金を崩す
- 急な出費で現金がなくなり、借金に頼る
これでは本末転倒です。
正しい流れ
- まず生活防衛資金を確保(3〜6か月分)
- その後に余裕資金で投資を開始
- 防衛資金は「使わないことを前提」として死守
この線引きができている人ほど、投資を長く続けて資産を積み上げています。
実践的アドバイス
「言うのは簡単だけど、どう作ればいいの?」という人向けに、具体的なステップを提示します。
- Step1:生活費を把握する
→ 家計簿アプリで1〜3か月の平均を出す - Step2:まずは3か月分を目標に
→ ボーナスや副収入を優先的に回す - Step3:6か月分に引き上げる
→ 少しずつ積み立て、安定感を強化 - Step4:守る仕組みを作る
→ 普通預金口座を投資資金と分ける
→ カード引き落とし口座とは別に管理する
これだけで「防衛資金を誤って使うリスク」がグッと減ります。
まとめ
- 投資は「攻め」だが、まずは「守り」がなければ継続できない
- 生活防衛資金は「安心を買うお金」であり、投資をやめないためのクッション
- 目安は生活費の3〜6か月分。家計簿で現実的な額を把握することが大切
- 置き場所は現金・普通預金一択。リターンを狙わず、流動性を優先
- 防衛資金があることで、暴落時でも「冷静な投資家」でいられる
投資というのは「増やす技術」ですが、その前に大切なのは「守る仕組み」です。
どれだけ優れた投資法を知っていても、生活防衛資金がなければ、突発的な出費で投資を崩さざるを得なくなります。
そして一度「投資資金に手をつける」経験をしてしまうと、人は投資に対して臆病になり、積立をやめてしまいがちです。
長期投資において一番の失敗は「やめること」です。
だからこそ、防衛資金は単なる“現金の置き場”ではなく、自分自身の投資人生を支える「精神的な防波堤」なのです。
3か月分、6か月分という目安を確保するだけで、「何があっても生活は回る」という自信が生まれます。
その自信が「暴落時でも売らない」「積立をやめない」強さにつながります。
つまり生活防衛資金は、投資家の最大の武器である「継続力」を引き出す存在なのです。
守りがあるからこそ、攻められる。
防衛資金は、攻めの投資を続けるための“影の主役”なのだと覚えておきましょう。
次回予告
『収入の柱を増やす考え方|副業と投資の相乗効果を高める』
今回のテーマは「守り」でした。
生活防衛資金を整えることは、投資を継続するための絶対条件です。
では、「守り」を固めた後はどうすればよいのか?
次は「攻め」の領域です。
投資だけに依存せず、収入の柱そのものを増やすことで、資産形成はさらに盤石になります。
現代は、ひとつの収入源に依存するのはリスクです。
副業やスキルアップを通じて複数のキャッシュフローを持つことが、投資と相乗効果を生みます。
収入が増えれば、防衛資金の積み増しも早まり、投資余力も増える。
まさに「守り」と「攻め」がかみ合って、資産形成は加速していくのです。
次回の投資講義は
『収入の柱を増やす考え方|副業と投資の相乗効果を高める』
というテーマで、収入の複線化がなぜ投資の安定につながるのかを具体的に解説します。
守りを整えたあなたに贈る「次の一手」。
ぜひ楽しみにしていてください。
📚 投資初心者のための講義シリーズ
初心者でも一から学べる「投資講義」シリーズを順番に読みたい方はこちらからどうぞ👇
- 【第1回】NISAってなに?
- 【第2回】投資信託ってなに?
- 【第3回】インデックス投資ってなに?
- 【第4回】S&P500と全世界株式の違い
- 【第5回】ドルコスト平均法とは?
- 【第6回】NISAはいくら投資すべきか?
- 【第7回】銘柄選びの考え方
- 【第8回】個別株・ETF・投資信託の違いとは?
- 【第9回】インデックス型 vs アクティブ型
- 【第10回】分散投資ってなに?
- 【第11回】リスクとリターンの関係
- 【第12回】長期投資はなぜ最強か?
- 【第13回】習慣としての投資
- 【第14回】積立額の正解とは?
- 【第15回】出口戦略の基本
- 【第16回】資産の取り崩し戦略
- 【第17回】『ライフ資産』の築き方
- 【第18回】投資の『ゴール設定』
- 【第19回】年齢別の投資戦略
- 【第20回】リスク許容度の見極め方
- 【第21回】下落相場で買える人のメンタル設計
- 【第22回】株価は見るべきか?
- 【第23回】ニュースに惑わされない
- 【第24回】相場に振り回されない『継続力』
- 【第25回】やめたくなる日の処方箋
- 【第26回】感情に強くなる投資マインド
- 【第27回】暴落相場での冷静力
- 【第28回】回復相場での立ち回り方
- 【第29回】天井圏の見極め方
- 【第30回】下げ相場の入り口を見極める方法
- 【第31回】リバウンド相場の見極め方
- 【第32回】買い場を見極めるための思考法
- 【第33回】底値戦略の活かし方
- 【第34回】キャッシュポジションの極意
- 【第35回】資産配分の黄金比率
- 【第36回】リバランスの極意
- 【第37回】利益を伸ばすリバランス戦略
- 【第38回】成長投資枠でのリバランス活用法
- 【第39回】リバランスを自動化する方法
- 【第40回】複利の正体とは?
- 【第41回】長期投資と複利の関係
- 【第42回】長期投資を続けるための実践法
- 【第43回】心を整えて継続する力
- 【第44回】恐怖をチャンスに変える逆転思考
- 【第45回】投資を“生活習慣”にする方法
- 【第46回】不安と欲望に揺れない思考法
- 【第47回】情報断食のすすめ
- 【第48回】感情に振り回されない投資ノート
- 【第49回】数字に惑わされない視点
- 【第50回】投資が人生にもたらす副産物とは?
- 【第51回】投資が人生哲学に変わるとき
- 【第52回】人生設計と投資戦略
- 【第53回】支出管理と投資力
- 【第54回】生活防衛資金の考え方 ← 今回の記事
- 【第55回】収入の柱を増やす考え方【次回予告】
📌 各回、約2,000字でじっくり学べる内容になっています。
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