
📘投資初心者のための講義シリーズ
このシリーズでは、投資をゼロから学びたい方に向けて「かんたん・やさしく・本質的」にお届けしています。
~未来を変える一歩を、今日から一緒に踏み出しましょう~
現金は投資の“呼吸”だ
こんにちは!
どうも、マイケルです!
前回は「底値戦略の活かし方」についてお話ししました。
結論は、底値を狙う力は「準備」と「余裕」があってこそ活きるということ。
どれだけ完璧な底値シナリオを描いても、買うための現金がなければただ見送るしかありません。
そこで今回は、その“余裕”を作るための武器である「キャッシュポジション」について掘り下げます。
目次
キャッシュポジションとは何か?
キャッシュポジションとは、投資資産の中で現金として保持している割合のことです。
例えば
資産総額500万円のうち、350万円を株式や投資信託、150万円を現金として持っていれば、キャッシュポジションは30%となります。
ポイントは、単に余ったお金ではなく、戦略的に残しているお金だということ。
これがあるからこそ、相場が動いたときに素早く攻めに転じられます。
キャッシュを持つメリットとデメリット
メリット
- 買い場に即応できる…下落相場でチャンスが来たときに、即座に買い向かえる。
- 精神的安定…含み損を抱えても「まだ動ける余力がある」という安心感が持てる。
- 生活防衛資金の確保…急な出費にも投資を崩さず対応できる。
デメリット
- 機会損失の可能性…上昇相場では現金が眠っている間に利益機会を逃す。
- インフレによる価値の減少…現金は増えないどころか、物価上昇で実質的な価値が下がる。
攻めと守りのバランスをどう取るか?
キャッシュポジションの理想は、人によって異なりますが、
共通するのは「状況に応じて動かす」という発想です。
- 攻め重視モード(相場が割安に見えるとき) → キャッシュ10〜15%程度まで下げる
- 守り重視モード(相場が割高・不透明なとき) → キャッシュ30〜40%程度に増やす
固定比率に縛られるのではなく、相場観・ライフステージ・リスク許容度で調整することが重要です。
初心者向けキャッシュ管理術
① 毎月の投資資金の一部を現金待機へ
例:月5万円投資 → 4万円は投資信託、1万円は現金でキープ。
② ボーナス・臨時収入の半分を現金へ
残り半分を投資に回すことで、常に余力を保つ。
③ 下落相場での分割投入
待機資金を3〜5回に分けて投入することで、タイミングリスクを分散。
キャッシュは“防御”ではなく“攻撃”の準備
多くの人は「現金=守り」と捉えがちですが、本質は次の一手を打つための攻撃準備金です。
現金を持つからこそ、チャンスを逃さず一歩踏み込める。
逆に現金ゼロで全力投資してしまうと、相場が下がった時に何もできず、ただ耐えるだけになってしまいます。
まとめ
キャッシュポジションは、単なる「待機資金」ではなく、あなたの投資戦略の呼吸そのものです。
呼吸が浅ければ、動きは乱れ、タイミングを逃す。
呼吸が深ければ、落ち着いて次の一手を打てる。
- チャンスが訪れた瞬間、動ける“余力”を持つ
- 暴落時にも慌てず、分割で仕掛けられる
- 不意の出費にも投資資産を崩さず対応できる
多くの初心者は「全額投資=効率的」と考えがちですが、それは呼吸を止めて全力疾走するようなものです。
短期的には走れても、必ず息切れします。
キャッシュポジションを持つというのは、“動けるための余裕”を自ら確保すること。
攻めと守りのバランスを制する者こそ、長期戦を勝ち抜けます。
次回予告
『資産配分の黄金比率|安定と成長を両立するポートフォリオ設計』
次回は、投資戦略の根幹とも言える「資産配分」について。
- 株式
- 債券
- 現金
この3つのバランスをどう組み合わせるかで、投資成果の8割が決まると言われます。
- キャッシュをどこまで厚くすべきか?
- 株式比率は何%が最適なのか?
- 債券やその他資産は本当に必要なのか?
経験豊富な投資家も悩み続けるこのテーマを、初心者でもすぐ実践できる形で解説します。
次回は 『資産配分の黄金比率|安定と成長を両立するポートフォリオ設計』 をお届けします。
長期的な資産形成を本気で目指すなら、この内容は必ず押さえておいてください。
余裕は偶然生まれない。
意図して作るものだ。
📚 投資初心者のための講義シリーズ
初心者でも一から学べる「投資講義」シリーズを順番に読みたい方はこちらからどうぞ👇
- 【第1回】NISAってなに?
- 【第2回】投資信託ってなに?
- 【第3回】インデックス投資ってなに?
- 【第4回】S&P500と全世界株式の違い
- 【第5回】ドルコスト平均法とは?
- 【第6回】NISAはいくら投資すべきか?
- 【第7回】銘柄選びの考え方
- 【第8回】個別株・ETF・投資信託の違いとは?
- 【第9回】インデックス型 vs アクティブ型
- 【第10回】分散投資ってなに?
- 【第11回】リスクとリターンの関係
- 【第12回】長期投資はなぜ最強か?
- 【第13回】習慣としての投資
- 【第14回】積立額の正解とは?
- 【第15回】出口戦略の基本
- 【第16回】資産の取り崩し戦略
- 【第17回】『ライフ資産』の築き方
- 【第18回】投資の『ゴール設定』
- 【第19回】年齢別の投資戦略
- 【第20回】リスク許容度の見極め方
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- 【第30回】下げ相場の入り口を見極める方法
- 【第31回】リバウンド相場の見極め方
- 【第32回】買い場を見極めるための思考法
- 【第33回】底値戦略の活かし方
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- 【第35回】資産配分の黄金比率【次回予告】
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